多分すぐ飽きる

どうせじき飽きるので、適当なことを書いています。

ベランダに落ちた350℃の愛

「ねぇ、星が落ちてきたらどうする」

「どうってなんだよ」

「どうする? 逃げる?」

「あぁそういうこと。星の大きさにもよるかねぇ」

「んー、四国ぐらい?」

「でかすぎだろ、逃げるまでもなく死んじゃうじゃん」

「そうだねー、逃げらんないね」

「逃げらんないって……さては何も考えてないだろ」

「んー?笑」

「考えてねぇな」

「でもあたしは決めてるよ、四国が落ちてきたらどうするか」

「四国って言っちゃってんじゃん」

「えへへ」

「で? どうすんの」

「旅行行く。アメリカ。」

「旅行か」

「うん」

「でも星が降ってきたらみんな外国に逃げようとするし、飛行機は混みそうだな」

「そこはほら、事前に予約しておいてさ」

「星が降ってくるかも分からないうちに?」

「そ」

「そ、じゃねえよ」

「痛っ、なーんでデコピンすんのさ」

「言ってることがめちゃくちゃだからだよ。なんだよお前は、エスパーか何かか」

「いーじゃん、そういう時ぐらいはエスパー使えても」

「なんじゃそら」

「ふふ」

「ってかそのアメリカ旅行に俺は一緒に行けるのか?」

「さー?」

「さー? って」

「キミ次第だよ。その時あたしの隣にいたら、そりゃキミをアメリカに連れて行くしかないでしょ」

「へー。てっきり連れてってくれないのかと思った」

「あたしもそこまで薄情じゃないよ。でもその時になってみないとわかんないかもなー」

「ふーん」

「あれ、意外とつれないね」

「まぁそりゃそうだと思った」

「なるほどね」

「てか俺も決まったぞ」

「何が?」

「何が? って話の流れからして分かるだろ」

「あぁ星?」

「そう星」

「何すんの」

「お前にキスする」

「……そんだけ?」

「そんだけ」

「結構色々してきた気がするんですが」

「そんだけ」

「てかあたしと一緒にアメリカ行かないの?」

「行く。行って、キスして死ぬ」

「何それ」

「何だろな。ただ、俺はなんとなくそうしたいなーって思った」

「ふーん、変なのー」

「急に興味なくなったな」

「うん、キミの答えがあまりにも微妙だったから」

「へーへー、すいませんでしたね」

「うん、もっと謝るべき」

「ごめんなさいね」

「許す」

「てかさ、アメリカ行くならギリギリ耐えられそうだよな、隕石」

「分かんない、どうなんだろね」

「おっ、流れ星」

「ほんと? あたし見えなかった」

「結構でかかったぞ」

「ショックー」

「星、綺麗だなー」

そだねー

「明日は晴れるな」

そだねー

「洗濯物、俺がたたんどくよ」

「ほんと? 助かる」

「結婚しようぜ」

「……えっ?」

 

 

 

「……ここでキスをしてきますか」

「ここでエスパーは発揮されませんでしたか」

「うっさい……あ、流れ星」

「見えた? 良かった」

「あれがここまで降ってきたら、あたしたち死んじゃうね」

「かもな」

「降ってきたらどうするんだっけ?」

「うっさい」

「いいよ」

「え?」

「結婚。しよ」

「マジで」

「うん。星が落ちてくる前に、結婚しちゃお」

「はは。軽いな」

「決まりごとはあとでちゃんと決めようね」

「了解」

「星、綺麗だね」

「だな」