多分すぐ飽きる

どうせじき飽きるので、適当なことを書いています。

父が母にキレたらしい。それも死ぬほどどうでもいいことで。

 

まぁ父にも色々不満があったらしいんだけど、正直それも死ぬほどどうでもいいことなんだよな。母がどっちかと言うと悲しそうな顔でそのことを教えてくれて、こっちもかなり悲しかった。

 

前書いたと思うんだけど、結構僕は父のことを好いている。それはなぜかって言うと、父がすごい優しい人間だったから。まぁ乱暴なとことかもあったけど、それはそれで理由があったりして、「この人はなんかすごいなあ」程度で受け入れられるもんだった。

 

でも今回、酒に酔った父は母に対して大声で怒鳴り散らして、机もバンバン叩いて、とにかく母を精神的に負かそうとしていたらしい。夫婦喧嘩というものを僕は見たことがなかったしこの両親に夫婦喧嘩があることをあんまり想像してこなかったのだけれど、恐ろしい父の激高が母に向いたという事実は正直めちゃくちゃショックで、僕はしばらくものが言えなかった。

 

理由はまぁ本当にどうでもいいんだけど、父としてはあんまり働いていない母が自分の仕事中に息子や娘の部活の試合を見に行くのが気に食わなかったのだそうだ。でも母は家事とかちゃんとやってるし、父もそこは流石に認めてる(らしい)。それに父も仕事が休みの日に息子娘の部活の大会に足を運ぶのかと言われるとそうでもないらしいし、完全に論が狂ってしまっている。呆れたし、理由が完全にこっちを言い訳にした弱々しいものだったことにも心底驚いた。父はそんなに、弱っちい生き物だったのか。

 

父の言い分はひどく惨めで、母は相変わらずちゃんと強かったから、父の激高に対してそれなりに対処できたらしい。母が強い女性で本当に良かった。マザコンとかではなく、僕はちゃんと母を尊敬している。

 

母曰く、「あの人は自分に自信がないんだろうか」と。子に慕われていないのではないか、家内に愛想を尽かされているのではないか、自分はこのまま、働き続けて終わってしまうのではないか。すべて僕と母の想像ではあるけれど、こんなに父が暴れ狂った理由には、きっとこの自信のなさが現れているところがあると思う。

 

そして二人して「そんなわけないだろう」と言ったわけである。子を三人も大学に行かせ、一人は立派に職を得ているというのに。家族を安心させ、きちんとした人間に育て、ここまで生活をさせてくれているというのに、どうして不安になるんだ、と。感謝も尊敬も、欠かしたことはない。じゃなきゃ毎晩毎晩、職場の愚痴を聞かされながらも素知らぬ顔で晩ごはんが食べられるわけがない。

 

父はすごい人で、僕はその背中を見てここまで育ったわけだ。多分僕は父のような人にはなれないけれど、父の背中を見てなりたい人物の輪郭くらいは掴んでいるんだ。

 

だからどうか、酒を飲んで母にやり場のない怒りをぶつけるような人にはならないでほしかった。母が車の中で、少し泣きながら「ちょっと残念やったわ」なんて言ってるのを知っているのは僕だけなんだから。「俺の両親は仲がいいんだ」って神話が崩れ去る悲しみを、アンタは一生かけてもきっと理解できないだろう。だからどうか、自分に自信を持って、もっと心にゆとりを持って欲しいと思う。僕が「この父の血が入っている以上結婚は絶対にできないと思うししたくないと思う」と母に溢したこと、後悔させてほしい。こんなところで書いているから絶対に父には届かないんだけれど、ていうか届いてしまうと色々まずいんだけど、僕は言霊を信じているので、電子の渦に乗った言霊が父の心を揺さぶってくれることを祈るばかりである。

 

話がごちゃごちゃだし言いたいこともよくわからないだろうしそもそも気持ちが行ったり来たりしている気がするけれど、そもそも家族に対する思いが代わり映えのしない無味乾燥なものの訳がない。色んなことを思いながら僕は家族を頭の中で更新していくし、こんな形ではあるけれど自分の思いをまとめることで少しでも僕が前に進めれば、何かを変える力が得られるかもしれない、と思う。意志の力は無限大だ、特に家族間の問題では。

 

僕たち子供のせいで親がこんなことになっていて、結構負い目も感じているからね。ここまで父が弱いとは、思っていなかった。誤算です。大誤算。母が壊れてしまう前に、何とかしてあげたい。

 

多分僕もおんなじ道を辿りそうなので、結婚は無理ですね。