多分すぐ飽きる

どうせじき飽きるので、適当なことを書いています。

「人生の一部である女」が死んだ女

火曜の朝は活字に触れるようにしています。

 

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今日読んだのは前に買って放置してた『知らない映画のサントラを聴く』です。ネタバレが少しでも気になるなら買って読んでから来てね。

 

主人公は親友の女に先立たれた無職の女です。まぁあらすじをまとめるセンスはないので気になる人は調べてくださいって感じなんですが、設定見てちょっと既視感を覚えまして。これ基本骨子は『春の呪い』と共通してんなと。

 

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(写真は撮ってないのでAmazonのリンク置いときます)

春の呪い』も主人公が最愛の妹が死んだ姉で、ちょっと前に読んだので記憶に残ってるんですよね。先に言っておくと僕は頭悪いので読書感想文も考察もしません。適当に思ったことを書きます。ヤマなしオチなし! すまんな!

 

親友が死んだり妹が死んだり、人生の一部ってくらい愛していた女が死ぬと、女はそれはそれは彼女に囚われるようで。対して男は割り切っていたり女よりも深刻に死んだ女の影を追ったりまちまちなようです。話の都合上先立たれた女が苦悩しないと話が進まないのは仕方がないとしても、興味深い話ではあります。

 

先立たれた女は死んだ女がそれはそれは好きなんですよね。だから死なれるとそれはそれは悲しむ。『春の呪い』ではその死んだ妹の許嫁が姉に恋心を抱くんですけど、『知らない映画のサントラを聴く』では死んだ親友の元カレが無職の主人公の向こう側に死んだ元カノの姿を見るんですよね。どっちもまぁ恋愛ものってカテゴリに入ると思うんですが、その恋には背徳的なニュアンスがすごい感じられて、「死んだ人」はもういないのに、その影に縛られる人の姿がありありと描かれている。

 

こういう話、多分珍しいんじゃないかと思うんですけど、それを立て続けに読むことになった自分も珍しい体験をしてると思いました。終盤の流れとか細部は全然違うのに、「主人公の女が死んだ女の影を永遠に意識しながら生きる」であろうことが容易に感じられるんですよね、僕には。読まないと分かんないのではとは思うんですけども。

 

もっと言うなら、多分両作ともに「死んだ女」は、主人公ほど相手にハマってはいないんですよね。もしこれが逆だとして、物語になるほどの苦悩が生まれるかと言われると、どうかなっていう気がします。

 

とにもかくにも、「人生の一部である女」が死ぬ話はおもしろいから読んでみてください。主人公はどうやって「死んだ女」の影に結論を出すのか。僕はもう男の存在は傍にやって、女の苦悩と決断を読み解くのが楽しかったです。

 

「死んだ女」って失礼な書き方だけど、便宜上こう表現するのが楽だから仕方ないと思ってください。これ最初に言うことだと思うけどね。