あいつ
大学に入ってからできた友人に、死ぬほどいかつい奴がいて。
なんで俺はこいつと仲良くできてるんだろうと思うほど見た目が怖い奴で、ガタイもすごいし顔も怖いし、でも割と中身は普通にいかついくらいのいい奴で。
いっつも飲み会やってたり徹夜で麻雀やってたりギャンブルに興じたり、まぁそこそこ女遊びもしてたり結構怖い奴で、それでも仲良く喋れるすごいいい奴なんですよね。
そいつの特徴の中で俺が一番好きなものに「タバコは吸わない」ってのがあって、そんなにいかついし色々遊んでるくせにそこだけはしないっていうギャップがあまりにも面白くて。
でもこの前会ったとき、そいつがついにタバコを吸い始めたって報告してきて、なんかすごいさみしくなりました。なんかそいつがそいつじゃなくなって、悲しい気持ちになりました。
まぁこっちの都合なんであいつにはどうでもいいことですけど、なんかそういう、「こいつはこうあってほしい」みたいな傲慢な希望って、人付き合いにおいてかなり大切だと思うんですよ。それがあるからそいつと付き合ってる、みたいな特徴が何処かしらにあると思うんですよね。てか人と仲良くなるためにはそこを見抜いて期待に応え続けるのが大事だと思いませんか。僕が人の目を気にしすぎるだけですかね、だったらごめんなさい。
今回は僕の持論とはあんまり関係がないですけど、あいつはタールが少ないタバコをちょっと吸ってダラダラしてるようなやつではあってほしくなかったなぁ、って思う夜です。今日は半月が叢雲に隠れて、ちょっぴり切ないですね。